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額田まちの風土記 第3巻

額田まちの風土記 第3巻

額田城跡保存会

 

人がつくったお城のミュージアム 額田3-表

お城に住んでみたい。
一度でも
そう思ったことはないだろうか。
那珂市の額田というまちでは、
そんな夢みたいなことが
実現してしまう。

 額田3-3

額田城はいまから760年前、
鎌倉時代の初期に築かれた。
その面積は96万平方メートル、
東京ドームのなんと約20倍である。
現在は自然公園として
遊歩道や花だんが整備され、散策を
楽しめるミュージアムになっている。

額田3-5 

額田城あとは、
巨大な森になっている。
かつてこの城に
住んでいた人も見たであろう
樹齢300年とされるヒイラギや
サクラ、カシの木をはじめ、
たくさんの木々が訪れる者を歓迎する。

額田3-7 

その額田城の城あとは
かつては荒れていた。
山林には草が生い茂り、
たくさんのごみが捨てられていた。
そんな城あとを
何とかしようと立ちあがったのが、
額田の人々であった。

額田3-9 

彼らは草を刈り、ごみをひろい、
城あとをよみがえらせた。
そして、額田の歴史をもっと
多くの人に知ってもらうために
まちの歴史を案内する
ガイドをはじめた。

 額田3-11

額田城保存会の人々は、
自ら額田の歴史を調べた。
そして誰もが楽しみながら、
額田のまちを散策できるような
散歩コースをつくった。
彼らの熱意は人々の心を動かし、
みんなが額田の歴史を
大切に考えるようになった。

 額田3-13

額田城の散策はここちよい。
なぜならば、道にはウッドチップが
ふかふかのじゅうたんのように
しきつめられ、
水がとおる道には橋が渡され、
整備されているからである。
いまさらいうまでもないが、
かつてゴミ捨て場であった森を
ここまで再生したのは
額田城跡保存会に参加している
額田の住民である。

額田3-15 

私たちがいまこんなステキな
ミュージアムを体験できるのは、
彼らがそれをしてくれたからである。
遊歩道を歩いていると、額田の人々の
チカラがひしひしと伝わってくる。

 額田3-17

額田のまちを歩いていると、
よく人にあう。
けっして
人口が多いというわけではなく、
過疎になやんでいる小さな町である。
にもかかわらず、額田であう人々は
みなよくおしゃべりをしている。
散歩中のおばあさんに
「お元気ですか」と声をかけられた。
誰かと出あって、おしゃべりする。
あたり前のようだが
かけがえのないことを
すっかり忘れていたのかもしれない。

額田3-19 

■額田城とは
額田城跡は、額田台地の南東部に所在する。標高27m。本丸跡は、7~8mの深壕に囲まれた山林で
面積約16,000㎡。さらに二の丸・三の丸壕と土塁まで含めた総面積は約77,000㎡、中世の城跡と
して現存していることは、県下でもめずらしい。城館の歴史は、建長年間(1249~1256年)佐竹氏
4代義重の2男義直が築城し、額田氏を称した時からはじまる。10代義亮の時、額田氏は亡ぶ。
その後、義人の家臣小野崎氏が額田城主となり、以降7代照通まで続いたが、天正19年(1591年)
佐竹氏20代義宣に、照通に異心ありとし、攻められ落城、照通は陸奥へ亡命し、以降廃城となった。

 

 

 2017年2月15日 初版第1刷発行
取 材 :堀内 瑠那、竹内 千聡、福田 莉子
著 者 :堀内 瑠那、竹内 千聡、福田 莉子
写 真 :堀内 瑠那、竹内 千聡、福田 莉子
編 集 :佐藤 里香
発行者 :日本地域資源学会
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