額田まちの風土記 第6巻
額田のまちの景観
額田のたたずまいはおとぎの森 |
額田の住宅地を歩いていると、 それまでの空気とは 何かちがう空気につつまれた 場所にたどりついた。 そこに、 おとぎの森の入り口があった。 その不思議な空間で、 何かが私に語りかけてくる気配を 感じる体験をした。 |
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この不思議の森で 私が出あった感動 そしてこの森の魅力について これから私が案内することにします。 |
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森の入り口からは、長く続く階段を のぼらなければなりません。 そこでは、道をおおう巨木たちの葉が カサカサと音をたてて、 あなたをはげましてくれます。 木々のささやきが聞こえてきたら、 そこで一度 立ち止まってみてください。 やさしくほほをなでる風やこもれ日も あなたを応援しているのが みえてきます。 |
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五感をとぎすまして感じてください。 おとぎ話に出てくるような 生き物たちが森にかくれてあなたを 出迎えてくれているのがわかります。 |
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ベンチにすわって森の住民たちと お話ししてみましょう。 今あなたが歩いているこの場所は 額田城という お城があったところです。 この城の主たちが住んでいた館へ たどりつくためにこの森を もう少し歩かなければなりません。 |
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突然 森のささやきが聞こえてきました。 いまあなたが歩いているその道が 歩きやすいのはわかるかな。 だってこの道は 額田城跡保存会のボランティアが 10年かけてつくったんだから。 |
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キノコやドングリなど 木の実もたくさん落ちていて 森はどんどん深くなります。 深い森の中で 向こう側に光がさすのがみえたら 光に向かって歩いてください。 |
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そこに出れば この森をとり囲むように 田んぼがひろがっている風景を 目にすることができます。 あなたはこの風景を どこかで見たことがあることを 思い出すはずです。 そう!ジブリアニメに出てくる トトロの風景にそっくりですね。 |
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その先にすすむと、 また橋が見えてきます。 その橋を渡った先に、 竹の道がひろがっています。 春先ならば、タケノコが 橋から顔をのぞかせています。 だから踏まないように してあげてください。 その橋を渡ってしまえば、 向こうにお寺がみえてきます。 ここがおとぎの森の終点になります。 |
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いまあなたが歩いたおとぎの森で ふだんできない 不思議な体験をしたと思います。 あなたの想像力は もっと豊かになったと思います。 なぜなら、この森は、 人がつくった想像力をみがきあげる ミュージアムだからです。 想像の翼をひろげてみようと 思い立ったらもう一度 このおとぎの森にきてください。 |
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2017年2月15日 初版第1刷発行 | |
取 材 | :荒井 春佳 |
著 者 | :荒井 春佳 |
写 真 | :荒井 春佳 |
編 集 | :斎藤 莉緒奈 |
発行者 | :日本地域資源学会 |