額田まちの風土記 第7巻
額田のまちの景観
想像を創造するチャンスをつかむ |
ようこそ、豊かな大地へ あなたは自然について 考えたことがあるだろうか? まちなみにある草花や花々とは 異なる空間が、 茨城県の那珂市額田にある。 額田に残る額田城跡や たくさんの古墳において、 都会や住宅街では感じ得ない 素晴らしい感覚を味わうことができる。 おいしい空気、 ステキな景色を見てみよう。 |
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緑が広がるキャンバス 緑がかがやいている7月、 私は、 大自然や歴史を感じる旅に出た。 茨城県水戸市と福島県郡山市をつなぐ JR水郡線にゆられ、 常陸太田方面へと向かう。 |
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額田駅で下車すると、 あまり見たことのない木々が 視界いっぱいにひろがっていた。 田舎道は車の通りが少なく、 空気がすんでいるように感じた。 |
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気持ちのいい空気、 緑から生み出される酵素を 胸いっぱいに吸いこむことで、 日常の悩みや苦しみ、 嫌なことを忘れられるかもしれない。 それはむずかしいことだけれど、 魅力的な行為である。 |
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力を育む一歩 古墳へと続く道は、なかなかきびしい。 車の通りが少ないとはいえ、 まったく通らないわけではない。 道の舗装がすんでいないところが多く、 まわりに注意しながら歩いていく。 |
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入り口に到着すると、 その先にはまだ見たことのない 古き良きふるさとがひろがっている。 その場所で目を閉じて想像してみよう。 そこには、古墳ができる前の時代の 記憶がよみがえってくる。 |
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教科書で学んだ知識しか なかったとしても、頭をしっかり使い、 想像するということで、自分の知識や 経験を増やせることにつながる。 本を読むだけではいけない。 |
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かたちのないものを、つくりだす 額田城跡は、 かつて城があったところである。 ここでもう一度「想像を働かせてみる」 ことをしてみよう。 広い土地で、自由に思想をひろげ、 私たちのいる世界と少し離れてみよう。 |
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新鮮な空気、人気の少ない空間、 いつものような空間とは異なる時間。 現実から少し離れてみよう。 目で見るだけでは 何もないかもしれないけれど、そこに かたちのない何かをイメージすれば、 新しい何かを創造する体験ができる。 |
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その世界をつくるのは、私たち 多くの人が、田舎は何もないと言う。 しかし、何もないところでも、 視点を変えれば、素晴らしい宝物を みつけることができるかもしれない。 何もないと思われる風景に、 想像という産物を持ち込んでみよう。 |
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想像力をはたらかせて、 どこにもない作品を うみ出してみよう。 額田の自然あふれる大地は、 あなたを待っている。 |
2017年2月6日 初版第1刷発行 | |
著 者 | :山本 桃子 |
写 真 | :山本 桃子 |
編 集 | :畑岡 祐花 |
発行者 | :日本地域資源学会 |