額田まちの風土記 第27巻
邦楽の会(武藤さん)
日本の音が結ぶ絆 |
茨城県那珂市額田には、 邦楽をやられているご夫婦がいる。 それは、武藤さんご夫妻である。 |
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邦楽とは、琴や尺八といった 和の楽器を使ってかなでる、 日本の伝統的な音楽のことである。 |
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元久さんは尺八を、 奥様のまさ江さんは 琴を担当している。 2人は大学の邦楽研究会で 邦楽の魅力にひかれ、 仕事のかたわら、 今も邦楽を続けている。 |
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最近はふたりで地域にでかけて 演奏することが増えた。 額田をはじめとした那珂市の イベントや、学校、レストランで 演奏することもある。 |
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生演奏をすることで、 きいている人の反応が見えるのが 新鮮だとまさ江さんは言う。 |
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ふたりは、 和楽器にあまりなじみのない人から 「ステキ!」と言われることで やる気が生まれ、邦楽という 伝統文化のよさを多くの人に知って もらいたいと思うようになった。 |
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また、 邦楽をふたりで続けることで、 夫婦が同じ時間を 過ごすことができる。 |
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息のあった武藤夫妻の間には、 おだやかな時間が流れていた。 |
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額田のまちには 古くから続く家があることから、 3世代で暮らす家族が多い。 |
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額田小学校では 3世代交流の場として、 小学校の100年の モチの木をシンボルとした モチの木まつりが開催される。 |
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武藤ご夫妻はそこで演奏をした。 3世代が興味深く演奏を きいてくれるのは本当にうれしい。 |
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武藤ご夫妻も、息子さんご夫婦と お孫さんと暮らしている。 子どもの存在が家と地域を 明るくしてくれるという。 |
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武藤さんの家には、 子供たちが遊ぶ 明るく楽しい声がひびいていた。 |
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歴史と自然のある 豊かな額田のまちで、 子どもという宝物が 地域に見守られながら、 すくすくと育っている。 |
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2人がかなでる日本の音は 今日も人々の絆を結んでいる。 |
2017年2月13日 初版第1刷発行 | |
取 材 | :吉村 双葉 |
著 者 | :吉村 双葉 |
写 真 | :吉村 双葉 |
編 集 | :畑岡 祐花 |
発行者 | :日本地域資源学会 |